良質なイノベーションが生まれる時に起こっていること

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イノベーションは今のビジネスにおいて多用されるいわゆるバズワードのひとつだ。さまざまな定義はあるが、ここでは最もシンプルな「新結合」という定義を採用したい。

 

世の中には良質なイノベーションとそうでないイノベーションが存在するように思う。良質なイノベーションであればあるほど、世の中を変えていくパワーを持っているが、そうでないイノベーション一発屋的な打ち上げ花火で終わってしまう。

 

では、この2つの違いを創る違いは何なのだろうか?
この点についてもさまざまな見解があると思うが、そのひとつに人の内面に存在している深い意志と、それを外的世界に表現する力の「結合の質」にあると考える。

 

この結合の質が高ければ高いほど、世の中を根底から変えるパワフルなイノベーションとなる。一方でどちらかの要素しか満たされていなかったり、結びつきが弱かったりすると、インパクトに欠けるイノベーションとなるのではないだろうか?

 

イノベーションは、よく「あっと驚くようなアイディアが発想できるか?」という点に着目されやすい。しばしば引用されるスティーブ・ジョブズの例がその最たるものだろう。しかし、イノベーションのプロフェッショナルであればあるほど「イノベーションの肝はアイディア発想にある」という命題を否定する。

 

良質なイノベーションを起こすカギはアイディアそのものにあるのではなく、アイディアが生まれる源である「結合の質」にある。そして「結合の質」を決める要素は「どれだけクリアかつ、深く自分の内面と繋がれるか?」と、「その内面から得られたインスピレーションを歪ませることなく外界に表現できるか?」の2つだ。

 

世の中にあるイノベーションプログラムは、どちらかに偏っていたり、属人的な体験や経験のみに依存しデザインされていることが多い。今後求められていくイノベーションプログラムは「自己の内面をクリアに見つめ、深くに存在する純粋な願いにつながる力」と、「その願いを純粋かつ意図的に表現する力」の2つの両面にアプローチし、かつその両面を質高く結合させるプロセスが組み込まれたものとなるだろう。