クリエイティブテンションを引き出すフレームワークとしての「インテグラル理論」
最近、インテグラル理論に改めて触れる機会があった。意図的なものではなく、偶然が積み重なったものだが、日々の生活を立ち上げるという、ちょうど自分にいま起こっていることとも繋がりがあるせいか、以前に触れた時とは質感が変わっていた。
このプロセスの中で、インテグラル理論への理解も深まったので、振り返りを兼ねて記録しておきたい。
インテグラル理論でありがちかつ、もったいない使い方は「分類」に使用してしまうことではないだろうか?僕も最初は人材育成や組織開発の手法を分類することに活用していた。
以前、とあるコンサルタントの方からこんな話を聞いた。
「フレームワークには2種類ある。クリエイティブテンションを引き出すフレームワークと、そうでないフレームワークがある。クリエイティブテンションを引き出すフレームワークは何らかの創造をもたらすが、そうでないフレームワークはただ整理・分類に役立つだけで、創造をもたらすものではない」
この話は何か根拠があるものではなく、あくまで経験をベースにしたものだが、何かしらの真実を含んでいるように思う。
インテグラル理論はその名にふさわしく、クリエイティブテンションを引き出す使い方もできれば、そうでない使い方ができるのだろう。
ただ、インテグラル理論を使って分類をしても、散らかっているものがキレイに整うだけで、何かが生み出されるわけではない。これはこれで有用だが、本来のインテグラル理論の使い方ではないだろう。
では、本来のインテグラル理論の使い方とはどのようなものだろう?それはインテグラル理論における根幹のコンセプトである「目撃者意識」にヒントがあると考える。「目撃者意識」とは、「すべての現象を目撃している存在」から生み出される意識のことだ(と認識している)
僕の理解では、本来のインテグラル理論は「目撃者意識に至りやすくなるための梯子」として使用するものだと考えている。
取り上げたい対象を4つの象限で観ていくことによって、どこかのタイミングで4つの象限のどこからでもない、智慧が降りてくる瞬間がある。それは4つの象限のいずれかや、掛け合わせによって生み出されるものを超えていて、何らかの啓示や直感、ひらめきのように思える類のものだ。
インテグラル理論を活用することによって、直接的に直感やひらめきを得ることは困難だが、直感やひらめきに出会う確率を上げられる、それがインテグラル理論の真のポテンシャルなのではないだろうか?
もちろんインテグラル理論はさまざまな観点から用いることができるので、これだけの使い方だけではない。今回インテグラル理論に触れる中でもう一つ印象に残った概念に「ボディ・マインド・スピリット・シャドー」がある。次回はこのコンセプトを取り上げてみたい。
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