人は人だからこそ発揮できる創造力をすでに知っている

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先日、『グレイテスト・ショーマン』を観てきた。評判に違わない素晴らしい映画で、映画館で鑑賞できて良かった。

 

中でも本編終了後に上映された以下の映像は、人が人だからこそできるクリエーションとは何か?を指し示してくる貴重なものであった。

 


ヒュー・ジャックマンも感涙!映画『グレイテスト・ショーマン』「This Is Me」ワークショップセッションの様子

 

いくつか象徴的な場面がある。

1つめは、冒頭のインタビューにある「マイクの後ろで歌っていた」だ。表現する上での恐怖はどんな人にだってある。この映画に出演するのはみんな表現のプロフェッショナルのはずである。それでも、人の前に立って表現することには恐れがあるものなのだ。では、僕たちは、人生において今どんな恐れと対峙しているのだろうか?

2つめもインタビューから。監督の「リングの外に出ろ」だ。いくら頭でわかっていても、実際にリングの外に出ないとダメなのだ。リングの外に出ることによって、つまり恐れを乗り越えることによって初めて場に生まれるものがある。

3つめは言わずもがなの、キアラ・セトルが実際に「リングの外に出た」瞬間である。あの瞬間、場がひとつになるのを誰もが感じるだろう。この現象はリーダーシップ理論のひとつである「U理論」では「プレゼンシング」と呼ばれている。このプレゼンシングについては以下のような説明がされている。まさにあの場で起こったことではなうだろうか。

 

オットー博士はその体験をした人の言葉として以下のような引用をしています。

 「わたしは、わたしが体験したことを言葉で説明することができない。わたしの全存在が減速し、静寂、存在、そして真の自己をより感じる。わたしは自分自身より大きな“何か”につながる。」

実際に、映画館の中でこのシーンを観ていた人が上映直後に口々にしていた言葉も「言葉にできないけどなんかすごい」であった。言葉を超えているから言葉にできないのだ。そしてそれを人は潜在的に知っているのである。

 

技術が卓越すること、経験を蓄積することだけでは決して発揮できないレベルの創造性を、人は生まれながらに持っている。

それは自分の内面にある恐れが自分に存在すること、そしてその恐れの中にいる自分の限界を心の底から知ること、最後に、その恐れから一歩踏み出すことで、初めて発揮できるものだ。

この力は特別な人だけが持ち合わせているのではない。誰もが持っているものだ。そして、この力は人種、性別、価値観が異なった人も一気に繋げてしまうパワフルさがある。

 

この力がこれからの人類には必要とされている。異なる価値観を理解するダイバーシティ&インクルージョンという考え方は複雑性が増していくに連れて限界を迎えるだろう。この次に必要とされているのはダイバーシティ(多様性)を超えたユニバーサリティ(普遍性)である。このユニバーサリティに必要な要素こそ、プレゼンシングによって生み出される「つながり」だ。

 『グレイテスト・ショーマン』の最大のメッセージは「プレゼンシングに繋がって生きろ!」なのだ、