リアクティブな生き方からクリエイティブな生き方にシフトするカギとは?
来週参加するこちらのワークショップに向けて、この本を読んでいた。
- 作者: ロバート・フリッツ,ウェイン・S・アンダーセン,田村洋一(監訳),武富敏章
- 出版社/メーカー: Evolving
- 発売日: 2018/09/10
- メディア: 単行本
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何かを創り出すスキルは「自分が何者か?」などの自己定義とは関係がなく、ただ「創り出すもの」にフォーカスするかに依存するという内容だ。
最近は、リーダーシップの領域において「自分を整える」ことの重要性に言及されるようになってきた。ただし、何かを創り出すことにおいて、「自分」は一切関係がないと本書では説かれている。
この主張には何らかの反応や反論を抱きたくなる人も多いのではないだろうか?僕も最初はそう感じていたが、読み進めるうちに、本書は「何かを創り出す際に、自分を気にしなくてもいい構造をいかに作るか?」について書かれていることが分かってきて、だんだんと腑に落ちてきた。
人は何かを創り出す際に、どうしても自分の思考が入りやすい。「こんなものを創って、周りから自分がバカにされたらどうしよう?」とか「そもそも良いアイディアが思い浮かばない自分はダメだ」とかが典型的なものだ。
確かにこのような自分についての思考は創り出すことそのものにおいては全く関係がない。しかし、往々にしてこんな独り言や思考が頭をもたげてしまう。最終的には知らず知らずにうちに、この思考をやっつけることが創造の隠れた目的になってしまったりする。
本書でも言及されているが、このような思考の動きに自分自身で気づくことは難しい。そして、自分には創造するスキルが足りないと勘違いして発想力を高める研修を探し始めたりする。これも一見悪くない行動のため、さも良いことをしているかのように信じ込んでしまう。
本書の考えだと、このような場合は、自分が創り出すものそのものにフォーカスしきれていないことや、独り言や思考を生み出している自意識にフォーカスしてしまっていることを扱うべきだと考える。
リアクティブな生き方をしてしまっている時には、たいてい何らか無意味な自意識に捉われてしまっている。このような時に変に自意識をほじくり回すのではなく、その構造を生み出している信念を明確にして、創り出すものそのものにフォーカスできるようにする。それがクリエイティブな生き方にフォーカスするためのカギだ。
そしてこの考え方やアクションこそが「学習する組織」で言われている「セルフマスタリー」なのではないだろうか?「セルフマスタリー」は「自分に振り回されることなく、創り出したい未来そのものにエネルギーを集中させられるように認知をマネジメントするスキル」だ。
ワークショップでは演習もたくさん含まれていると聞いているので、日常において実践できるレベルまで身につけて帰りたいと思う。